
埋没毛の治し方と治らないときの対処法!原因・予防もあわせて解説
埋没毛(まいぼつもう)は、皮膚の内部で毛が成長し、外からは黒く透けて見える状態を指します。
体毛の自己処理を行ったあとに発生することが多く、見た目の違和感だけでなく、肌トラブルの原因となることもあります。
多くの場合、埋没毛は肌のターンオーバーによって自然に排出されますが、状況によっては炎症や色素沈着を引き起こすケースもあるため、正しい理解と対応が必要です。
この記事では、埋没毛の症状や原因、自然治癒が期待できるケース、そして予防のための具体的な方法について解説します。
埋没毛を繰り返さないためにも、セルフケアの見直しに役立ててください。
埋没毛とは?具体的な症状と原因
埋没毛とは、肌の中で毛が成長してしまい、外からは黒い線や点のように透けて見える状態のことを指します。「埋もれ毛」や「皮膚の下に潜った毛」などと呼ばれることもあり、見た目にも目立ちやすく、多くの人が悩まされる肌トラブルのひとつです。
埋没毛(埋もれ毛)はどんな状態?症状と発生しやすい部位
埋没毛は、皮膚の表面に出るはずの毛が、何らかの理由で肌の下にとどまってしまう状態です。毛先が外に出ていないため、自己処理で剃ったり抜いたりすることができません。
皮膚の中に黒い線や点のように透けて見えるのが特徴で、ひざ下やワキ、Vライン、腕、二の腕、背中などにできやすい傾向があります。
- 太くて硬い毛が多い部位
- 肌がやわらかい部位
- 自己処理の頻度が高い部位
特にカミソリや毛抜きによる自己処理が多い部位は、埋没毛ができやすくなります。
埋没毛の出現は毛穴が塞がることが主な原因
埋没毛ができる根本的な原因は、「毛穴の出口が塞がれてしまうこと」です。毛穴がふさがれると、毛が本来の出口を見失い、皮膚の中で成長を続けてしまいます。
- 乾燥:古い角質が溜まりやすくなり、毛穴をふさぐ
- 肌のキズ:傷がふさがる際に毛穴も一緒にふさがれてしまう
- 自己処理:カミソリや毛抜き、ワックスなどで毛穴や皮膚にダメージが加わる
これらの要因が肌に重なることで、毛が皮膚の下に埋もれたまま成長すると、埋没毛になってしまいます。
埋没毛と間違いやすい肌トラブル
埋没毛とよく似た症状に、ニキビや粉瘤(ふんりゅう)があります。いずれも皮膚の中で黒っぽく見えたり、ぷつっとしたしこりがあったりするため、見分けがつきにくいこともあります。
- 黒ニキビ:皮脂が酸化して黒く見える。特に鼻やTゾーンにできやすい。
- 粉瘤:皮脂や角質が皮膚内部に溜まり、しこりや炎症を伴う場合がある。
これらのトラブルと埋没毛を誤認して、間違った処置をしてしまうと症状が悪化することもあります。自己判断せず、皮膚科に相談することをおすすめします。
埋没毛を自分で取り出すのは危険!正しい治し方を解説
埋没毛が気になって、ついピンセットや針などで掘り起こしたくなることもあるかもしれません。しかし、自己処理によって無理に毛を取り出すのは危険です。皮膚を傷つけたり、炎症や色素沈着、感染などの肌トラブルを引き起こす可能性があります。
ここでは、埋没毛の正しい治し方について、自然に治るケースと注意が必要なケースに分けて解説します。
埋没毛は自然に治る可能性が高い
多くの埋没毛は、肌のターンオーバー(新陳代謝)によって自然に改善します。新しい皮膚が下から押し上げられることで、埋まっていた毛が徐々に表面へと現れ、最終的には毛穴が開いて毛が外に出てくる仕組みです。
健康的な肌の場合、ターンオーバーの周期は約28日といわれています。そのため、炎症やかゆみなどの症状がなければ、無理に処理せず様子を見ることが推奨されます。
また、皮膚の内側に残った毛も、体の免疫反応によって自然に分解され、黒く残ることはほとんどありません。
埋没毛を放置するリスクは?クリニックや皮膚科へ相談するべき症状

自然治癒を待つとはいえ、すべての埋没毛が安全に放置できるわけではありません。以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
- 赤みや腫れが出てきた
- 痛みやかゆみを伴う
- 膿がたまってきた
- 黒ずみ(色素沈着)が目立ってきた
これらの症状は、毛嚢炎(もうのうえん)や炎症性疾患のサインである可能性もあります。 皮膚科では抗菌薬の塗り薬や、必要に応じて排膿・切開などの処置を受けることができます。
埋没毛が治らない・繰り返すときの対処法

「毎回同じ場所に埋没毛ができてしまう」「放置してもなかなか治らない」と感じる場合、自己処理の方法や肌の状態に根本的な問題がある可能性があります。
再発予防のためには、以下の対策が効果的です。
- 電気シェーバーでの処理に切り替える:刃が直接肌に当たらず、傷を防げる
- 処理後の保湿ケアを徹底する:角質の肥厚を防ぎ、毛穴の閉塞を防ぐ
- 医療脱毛を検討する:毛根からの再生を抑えることで、埋没毛そのものの発生リスクを軽減
特に医療脱毛は、埋没毛の再発に悩む方にとって、根本解決となる可能性があります。 詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。
永久脱毛であれば埋没毛の根本改善が期待できます。永久脱毛は実際のところどれくらい効果があるのか、本当に自己処理が不要になるのかについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
埋没毛にならないための4つの予防方法

埋没毛は、一度できてしまうと自然に治るまで時間がかかることもあるので、そもそもできないようにする予防が非常に大切です。
予防の基本は、肌を傷つけない自己処理・正しいスキンケア・毛穴を塞がない習慣の3つです。ここでは、埋没毛を繰り返さないために今日からできる実践的な方法を紹介します。
体毛の自己処理は電気シェーバーを使う
埋没毛ができる最も大きな原因は、カミソリや毛抜きなどによる誤った自己処理です。刃が肌に直接当たると、角質層を削り取り、微細な傷ができてしまいます。
その結果、傷を修復しようと肌が厚くなり、毛穴を塞いでしまうのです。
その点、電気シェーバー(電動カミソリ)は肌への負担が非常に少ないため、安全にムダ毛を処理できます。
特に敏感肌の人や、埋没毛を繰り返しやすい人には電気シェーバーの使用が推奨されます。
医療脱毛クリニックや脱毛サロンで脱毛する
自己処理そのものの頻度を減らすことが、根本的な埋没毛の予防につながります。医療脱毛や光脱毛は、毛の成長を抑えることで自己処理の必要性を減らせるため、肌への負担も軽減されます。
脱毛後は自己処理の回数が格段に減るため、カミソリや毛抜きによる埋没毛のリスクを根本から減らすことが可能です。
また、医療脱毛では毛母細胞や毛乳頭などの発毛組織を破壊するため、埋没毛そのものができにくい肌環境に整えられます。
ボディクリームやローションで肌の保湿を行う
乾燥した肌は、角質が厚くなりやすく、毛穴を塞いで埋没毛を引き起こしやすくなります。保湿は肌のバリア機能を守り、ターンオーバーを正常に保つうえで不可欠です。
毎日のお風呂上がりに、ボディクリームや尿素配合ローションなどでしっかり保湿を行いましょう。特に腕・足・ワキ・VIOなど自己処理が多い部位は入念に保湿しておくと安心です。
スクラブやピーリングで肌の角質ケアを行う
古い角質が蓄積されると、毛穴の出口がふさがりやすくなります。スクラブやピーリングによる定期的な角質ケアは、埋没毛の予防に効果的です。
ただし、やりすぎは逆効果です。週1〜2回を目安に、肌に優しいタイプのピーリング剤を使いましょう。施術後は必ず保湿をセットで行うのが鉄則です。
炎症や赤みがあるときは、無理に角質ケアをせず、肌の回復を優先してください。
埋没毛に関するよくある質問
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埋没毛は放置しても大丈夫ですか?
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基本的には、炎症やかゆみ・赤みなどの症状がなければ、無理に処理せず放置して問題ありません。肌のターンオーバーによって自然に排出されるケースが多くあります。気になる場合でも、自分で抜こうとせず、清潔と保湿を保ちながら様子を見ましょう。
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埋没毛の黒い点が気になります。どうしたらいいですか?
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黒い点は、皮膚の下に毛が透けて見えている状態です。炎症が起きていなければ、スクラブやピーリングなどの角質ケアで毛が表面に出てくる可能性もあります。ただし、刺激を与えすぎると逆効果になるため、頻度や強さに注意しましょう。
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埋没毛が治らない場合はどうすればいいですか?
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何週間も改善が見られない、もしくは痛み・腫れ・膿などの症状が出ている場合は、皮膚科で診てもらうことをおすすめします。医療機関では、抗菌薬の処方や小切開による処置など、適切な対応が受けられます。
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埋没毛の予防には何が効果的ですか?
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自己処理の見直し(カミソリ→電気シェーバー)、日常的な保湿、週1〜2回の角質ケアが効果的です。さらに、医療脱毛で自己処理の回数を減らすことも、埋没毛の根本的な予防につながります。
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埋没毛がある状態でも脱毛できますか?
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軽度であれば脱毛可能なケースが多いです。ただし、埋没毛の部位が赤く腫れていたり、炎症がある場合は照射を避ける場合もあります。施術前にクリニックで相談するようにしましょう。
埋没毛は正しい知識と対処法で防ごう
体毛の自己処理による肌や毛穴への影響、そして日々のスキンケア方法を見直すことで、埋没毛のリスクを減らすことができます。特に、カミソリや毛抜きなどによる繰り返しの処理は、皮膚にダメージを与えやすく、埋没毛の原因となります。
埋没毛は基本的に自然に治癒するケースが多いものの、炎症や色素沈着につながることもあります。症状が悪化する前に、皮膚科などの医療機関で相談することが大切です。
また、埋没毛を繰り返さないためには、体毛の自己処理方法やスキンケアを見直すと同時に、自己処理そのものを減らす工夫も必要です。その一つの選択肢として、医療脱毛があります。
医療脱毛は、毛の発生源である発毛組織に働きかけるため、毛の再生を抑制し、埋没毛ができにくい肌環境をつくることが可能です。自己処理の頻度を大幅に減らすことにもつながるため、長期的な肌トラブル予防にも効果的です。
無理な処理を避け、保湿を習慣化し、必要に応じて医療脱毛なども検討しながら、すこやかな肌を目指しましょう。
参考文献
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