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シミ取りレーザーについて
目次
シミとは
シミとは顔や体などにできる茶色い色素沈着で、
老人性色素斑(典型的なシミ)、雀卵斑(ソバカス)、脂漏性角化症(イボ)、肝斑(30代以降の女性によく見られる左右対象の淡い色素沈着)などが含まれます。
その中でも老人性色素斑は、加齢や紫外線暴露が原因でできる一般的なシミです。紫外線によりケラチノサイトの異常とメラノサイトの異常が起きてメラニンが過剰に産生されたため色素沈着が生じます。
シミ取りレーザーの種類
シミ取りレーザーではそれらメラニンを破壊してシミを治療します。
ただし、肝斑に対してはレーザー治療は第一選択ではありません。肝斑は刺激が原因の一つなので、強いレーザー照射は逆に肝斑を悪化させてしまいます。
いわゆるシミ取りレーザーには、
ⅰ選択的光熱融解作用によるものと、
ⅱ光熱作用によるものがあります。
ⅰ選択的光熱融解作用とは
メラノソームが破壊される時間と、メラニンに高い吸収率を持つ波長を用います。標的のメラニン顆粒を含有するメラノソームに対して周囲に熱作用を及ぼさず選択的に破壊し、その光熱作用と周囲への非熱的な衝撃によってメラニン含有細胞の特異的破壊を生じさせる。要するに、強いパワーのレーザーを周りの組織にダメージを与えずに、メラニンだけを壊すということです。
Qスイッチレーザーやピコ秒レーザーです。
Qスイッチレーザー
強力なエネルギーが非常に短い時間(ナノ秒単位)で発振。瞬時にメラニンを破壊することができます。
代表的なものに、Nd:YAG(KTP)レーザー、ルビーレーザー、アレキサンドライトレーザーがあります。
ピコ秒レーザー
Qスイッチよりさらに短い時間(サブナノ秒単位)で発振。より限局的に炎症をあまり起こさずに破壊できます。現在では一番新しいしみレーザーです。
ⅱ光熱作用では
熱エネルギーで焼灼され、熱変性を起こします。選択的光熱融解作用のレーザーに比べるとマイルドなパワーで熱を溜めてメラニンを壊していきます。
基本的にお顔全体に照射し、広範囲のシミに対して、数回の治療で改善していきます。
ロングパルスレーザーやIPL治療です。
ロングパルスレーザー
ミリ秒単位で発振。メラニンの熱緩和時間を超えます。主に脱毛用レーザーで使用されています。
IPL光治療
拾い波長帯の強い光を照射することで、様々な物質に吸収させて、熱作用により様々な変化をさせます。例えば、メラニンに反応してシミを薄くしたり、血液中のヘモグロビンに反応させて赤みを改善させたり、線維芽細胞に反応させてコラーゲンの増生を促したりさせます。オールマイティな肌治療器です。
経過
ⅰ光熱融解作用のレーザー治療では直後より軟膏とテープで保護します。翌日頃より生じる痂皮が剥がれるまでの約1週間継続します。
ピコ秒レーザーでは痂皮が軽微で軟膏のみで良いこともあります。
照射後2週間くらいで、炎症後色素沈着が約50%〜70%の確率で生じます。Qスイッチに比べるとピコ秒レーザーの方が炎症後色素沈着も軽いことが多いです。
炎症後色素沈着は3ヶ月から長くても1年ほどで自然に消えていきますが、その間は美白剤などの外用を併用することもあります。
取りきれなかったシミの再照射は半年以降にすることをお薦めします。
ⅱ光熱作用の治療後は軟膏塗布やテープ保護などの必要はありません。痂皮ができた場合は5日程度で自然と剥がれます。摩擦や紫外線などの刺激を避け、保湿を心がけます。Qスイッチやピコなどのレーザーに比べるとシミは取り切れないことも多く、また色素が戻ってくることもあり効果は短いですが、他の作用で、赤みが改善したり、肌質が改善したりします。
シミ治療の効果
やはりシミ治療の効果を求めるならば、Qスイッチレーザーやピコ秒レーザーでしょう。Qスイッチレーザーやピコ秒レーザーでは1回の治療でシミをなくすことが可能です。ただし、炎症後色素沈着の時期もあるので、最終的な結果までの期間は数ヶ月かかることを認識しておきましょう。
ロングパルスレーザーやIPL光治療は、シミを薄くして消していくまでには数回の治療が必要ですが、シミが広範囲にたくさんある方、
大切なことはどんなシミに対してもレーザー治療ではないことです。シミの種類を適切に判断し、そのシミに対して適切な治療を選択し、適切なパワーや照射モードを選択して治療でき、経過に対して適切な対処をできる医師の力量が重要です。シミ治療に行く時には値段だけではなく、きちんとしたクリニックや医師選びをしましょう。
肌全体のアンチエイジング効果も求める方におすすめです。