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- 新しいアトピー性皮膚炎治療薬
2019年1月24日
こんばんは。
渋谷の皮膚科・美容皮膚科
emiスキンクリニック松濤
院長の中崎恵美です。
今回は新しいアトピー性皮膚炎の新しい治療薬デュピクセントについてです。
デュピクセントは2018年4月より使用されています。
アトピー性皮膚炎治療薬として初めての生物学的製剤注射薬です。
アトピー性皮膚炎の病態に深く関与するTh2型反応を抑える、世界初のヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体です。
IL-4/IL-13のシグナル伝達を阻害することで、
- フィラグリン産生低下、抗菌ペプチド産生低下、皮膚繊維化・リモデリングを抑えることで、皮膚バリア機能低下や易感染性を改善
- ヒスタミン増加による痒み誘発を抑えることで、掻破による皮膚バリア機能破壊を改善
- 炎症性メディエーター増加を抑えることで、炎症の促進を改善
することができます。
ステロイド外用薬で効果不十分な中等症以上のアトピー性皮膚炎の症状を改善できます。
デュピクセント投与後2週時には効果が出ていて、16週目には皮疹重症度は80%改善し、痒みも57%改善するという結果が出ています。
通常、成人には初回600mg(2本)、2回目以降は300mgを2周に1回皮下注射します。
重大な副作用として、重篤な過敏症がありえますが、他の主な副作用は注射部位反応、頭痛、アレルギー性結膜炎が数パーセントで、従来の生物学的製剤に比べて副作用が少ないと思われます。
使用上の注意としては、
- 本剤投与中も保湿外用剤などの併用は必要であること
- 本剤の投与により喘息などの合併する他のアレルギー性しっかんの症状が変化する可能性があること。
- ショック、アナフィラキシーが現れる可能性があること
- 2型免疫応答を抑制することにより寄生虫感染を悪化させる可能性があるため、寄生虫感染患者はデュピクセント投与前に寄生虫感染を治癒させる必要がある。
- デュピクセント投与中の生ワクチンの接種は避けること。
今までの外用剤などの治療薬でコントロールの難しいアトピー性皮膚炎の患者さま方にとって、画期的な治療薬と思われます。
お悩みの方は是非ご相談くださいませ。
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