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- 帯状疱疹ワクチン
いつもご来院ありがとうございます。
渋谷の美容皮膚科emiスキンクリニック松濤院長の中崎恵美です。
最近帯状疱疹の患者さまが増えています。
猛暑のせいか、コロナ疲れのせいか、皆さま心身ともに免疫力が落ちているのだと思います。
帯状疱疹は身体の左右どちらか一方に、ピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点(はんてん)と小さな水ぶくれが帯状(おびじょう)にあらわれる病気です。
帯状疱疹は、身体の中に潜(ひそ)んでいたヘルペスウイルスの一種、水痘(すいとう)・帯状疱疹ウイルスによって起こります。水ぼうそうにかかったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があります。
帯状疱疹は水痘(水ぼうそう)や水痘(水ぼうそう)ワクチンをした人の20%がなると言われています。
60歳代を中心に50歳〜70歳代に多く発症するのですが、過労やストレスで若い人でも発症することもあります。
通常は一生のうち一度しかか発症しませんが、私が診察した患者さんは過去にもかかったことがあるという方が1割くらいいます。
帯状疱疹は早めの治療が大切です。
基本的には抗ウイルス剤の内服です。
痛みを伴う場合には鎮痛剤、それから神経障害を回復させるVitB12を併用します。
発症後早めに内服加療することで、のちの神経痛の後遺症が残りづらくなります。
まれに、神経痛だけ数年残り、辛い思いをする患者さまもいらっしゃいます。その場合はペインクリニックで疼痛治療を継続します。
頬、顎〜肩に掛けて(三叉神経第3枝から第3頚髄神経領域)の帯状疱疹の場合、同側の顔面神経麻痺、味覚障害、内耳障害を伴うことがあります(ラムゼイ-ハント症候群)。副腎皮質ステロイドの全身投与が必要です。
また、帯状疱疹は主として知覚神経が侵されますが、まれに炎症が高度な場合は運動麻痺も起こります。上肢に多く、挙上が出来なくなり、筋の萎縮を伴うこともあります。また、腹部の帯状疱疹では、便秘を伴うことがあります。
仙骨部の帯状疱疹すなわち、外陰部領域の帯状疱疹では膀胱直腸障害がみられ、尿閉が起こることがあります。
これらの場合には入院や他科の診療も必要になります。
こうした合併症はとても嫌ですよね。
そこで予防策としては、帯状疱疹ワクチンがあります。
帯状疱疹ワクチンには生ワクチンと不活化ワクチンの2種類がありますが、生ワクチンは免疫力の低下している方や、免疫抑制薬を内服している方は使用できません。
不活化ワクチンとしてシングリックスは、50歳以上の成人を対象とした帯状疱疹予防のためのワクチンとして、2018年に厚生労働省より製造販売承認を取得し、2020年1月から日本で発売されています。
シングリックスは、筋肉内に2回接種する、生ワクチンではない遺伝子組換え型アジュバント添加サブユニットワクチンです。
シングリックスは、1回0.5mLを2カ月間隔で2回、筋肉内に接種します。1回目の接種から2カ月を超えた場合でも、6カ月後までに2回目の接種をすれば大丈夫です。
このワクチン接種により、帯状疱疹発症や帯状疱疹神経痛の予防効果が90%ほどあります。
効果の持続期間も約10年です。
注意点として、この帯状疱疹ワクチンは50歳以上の方しか適応ありません。
また自費診療になります。
当院でも帯状疱疹ワクチンを行なっておりますので、ご興味のある方はぜひお問い合わせください。