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美容皮膚科学会2022
いつもご来院ありがとうございます。
渋谷の美容皮膚科emiスキンクリニック松濤院長の中崎恵美です。
先週末は土日と日本美容皮膚科学会に参加してきました。
オンラインとWEBのハイブリッド開催でしたが、土曜日の診療時間中はWEBで、診療後に現地(今回は虎ノ門ヒルズ)に行ってまいりました。
オンライン参加が便利で、遠方での開催だとどうしてもWEB参加になってしまいがちだったので、現地での学会参加は久しぶりでした。
でもやはり現地での参加は、お世話になった先生方、元医局の先生方、友人Drに会えたり、展示ブースに行き、新しい機械や化粧品などの情報を業者の方に直接聞きながら得たり、お洒落でキラキラした美容Dr達のファッション力やゴージャスさを目の当たりにして、脳も心も刺激を受けました。
そして、もちろん講演から新しい知識や再確認を得ることができるのですが、それと同時に同じ美容Drの仲間から直の機械の感想や情報交換できるのも本当に勉強になります。
今回、私が一番感動した講演は、日曜日のモーニングセミナーで、日本医科大学形成外科の小川令先生が発表したメカノバイオロジーでした。
メカノバイオロジーとは、張力や浸透圧といった力学的刺激が、細胞、組織、臓器、あるいは生体にどの様な影響を与えるかを解析する物理学の研究領域です。広い意味では臓器、組織、細胞、分子レベルにおいても物理的環境をコントロールし、細胞に影響を与える医療です。近年では細胞に力を感じる仕組み、すなわちメカノセンサーがあることがわかりつつあります。さらに適切な力学的刺激を加えて加齢で萎縮した組織を肥大させたり、脂肪組織を増やしたり減らしたりすることもできるそうです。
要は、ただ押したりなどの刺激を与えるだけで細胞が刺激を感じ、コラーゲン繊維などを増やしたりしているということ。
あながち、マッサージだけでもコラーゲンを増やし、たるみやハリが出て、皮膚が若返るということです。
これには正直かなりショックを受けました。だって、患者様には擦るなどの刺激は極力やめてください、と言っていたから。でも会場からも同様の質問があって、やはり適度なマッサージは良いが、過剰はダメージもあるとのこと。
私的には、マッサージは皮膚の浅い部分(表皮)には色素沈着や角質破壊などが起きてダメージが出やすいけれど、皮膚の少し深い部分(真皮)や脂肪層にはコラーゲン増生や脂肪増減などの良い影響も出るのかな、と考えました。
しかし、研究者達によって、こんな細胞レベルで新しいことが分かり、まだまだ人体の仕組みは未知数なのだな、と思うと心から感動しました。
そして新しい知識が得られて勉強することができて、心から嬉しい時間でした。