- HOME
- >
- 新アトピー性皮膚炎外用薬コレクチム軟膏
新アトピー性皮膚炎外用薬コレクチム軟膏
2020年6月26日
おはようございます。
渋谷のemiスキンクリニック松濤
院長の中崎恵美です。
昨日は6月24日発売の
アトピー性皮膚炎の外用ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤である
外用剤コレクチム軟膏0.5%(一般名:デルゴシチニブ)の説明会でした。
なんと、21年ぶりの新しいアトピー性皮膚炎の塗り薬です。
ここからはちょっと専門的な説明ですが、
アトピー性皮膚炎病態の中心的なTh2型免疫異常の主要サイトカインはIL-4,IL-13,IL-31です。
IL-4,IL-13は表皮角化細胞のフィラグリン発現低下、痒みの惹起、B細胞のIgEクラススイッチ誘導を、IL-31は痒みを惹起します。
よって、皮膚バリア機能障害、免疫異常、痒みが相互的に作用しアトピー性皮膚炎の病態が形成されます。
サイトカインが受容体に結合するとチロシンキナーゼであるヤヌスキナーゼ(JAK)が活性化されて反応を引き起こします。
コレクチム軟膏はヤヌスキナーゼ活性を阻害することができます。
ということで、分かりやすくまとめると、
塗り薬でアトピー性皮膚炎の病態反応を抑えることができるのです。
今までのステロイドは起きた炎症を抑えるというものでしたが、もっと根本的なところを抑えることができ、またステロイドのような皮膚が薄くなるという副作用はありません。
現時点ではまだ16歳以上のアトピー性皮膚炎の方にしか適応がありませんが、0.25%の小児用も承認申請中とのこと。
免疫抑制に作用するので、皮膚感染症がある部位に使用すると増悪することがあるので主治医の指示が必要です。
今までステロイド外用が当たり前だったアトピー性皮膚炎の外用治療が大きく変わるかもしれません!
私もすごく期待しています。
https://emi-skin.jp/index.html