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- 肌老化の80%は紫外線?―実は“太陽光”を考えることが大切
「肌老化の約80%は紫外線が原因」
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
美容皮膚科の診療をしている私自身も、紫外線が肌に与える影響の大きさを日々感じています。
でも、「本当に肌老化の80%が紫外線なの?」と聞かれると、この数字には少し説明が必要です。
そして最近では、光老化を考えるうえで、紫外線だけでなく、可視光線や赤外線まで含めた“太陽光全体”の影響が注目されています。
「80%」はどこから来たの?
よく引用される研究の一つに、30〜78歳の女性298人を対象に、日光を浴びる習慣と顔の老化徴候との関係を調べたものがあります。
その研究から、太陽光への曝露が「目に見える顔の老化徴候」の約80%に関与すると推定されました。
ただし、これは「すべての肌老化の80%が紫外線だけで決まる」という意味ではありません。
肌の老化には、年齢とともに自然に起こる自然老化と、長年にわたって光を浴びることで進む光老化があります。
シミ、シワ、肌の質感、たるみなどは、自然老化と光老化が複雑に重なり合って現れてくるのです。
光老化は「紫外線だけ」ではありません
太陽光にはさまざまな波長の光が含まれています。
その中で、肌への影響が最もよく分かっているのが紫外線です。
UVBは主に表皮に作用し、日焼けやDNA損傷などに関与します。一方、UVAはより深く真皮まで届き、酸化ストレスなどを介してコラーゲンや弾性線維にも影響します。
でも、私たちが毎日浴びているのは紫外線だけではありません。
最近では可視光線も、特に色素沈着との関係が注目されています。シミや肝斑など色素トラブルのある方では、紫外線だけでなく可視光線まで意識した光対策が重要になってきています。
さらに赤外線、特に近赤外線についても、熱や酸化ストレスなどを介して皮膚に影響する可能性が研究されています。
ただし、紫外線と比べると、可視光線や赤外線の光老化への影響については、まだ研究途中の部分もあります。
だからこそ、「紫外線だけを防げば完璧」というより、太陽光全体から肌を守るという視点を持つことが大切だと思います。
日焼け止めだけで十分?
一般的な日焼け止めに表示されているSPFやPAは、主に紫外線に対する防御の指標です。
一方、可視光線による色素沈着が気になる場合には、酸化鉄などの顔料を含む色付きの日焼け止め(tinted sunscreen)が役立つことが分かってきています。
特に肝斑や炎症後色素沈着などでは、こうした「紫外線+可視光線」という視点も大切です。
赤外線については、現時点では紫外線のSPFやPAのような確立された防御指標はありません。
日焼け止めだけに頼るのではなく、帽子や日傘、日陰を利用するなど、物理的に強い太陽光を避けることも大切です。
10年後の肌を、今日から守る
年齢を重ねることそのものを止めることはできません。
そして私は、年齢を重ねることを否定する必要もないと思っています。
でも、毎日少しずつ蓄積する光の影響には、自分で予防できる部分があります。
美容医療で肌を治療することも大切ですが、それと同じくらい、毎日の生活の中で肌を「守る」ことも大切です。
10年後の肌は、今日からつくられていく。
若さを追い続けるためではなく、これから年齢を重ねていく自分の肌を健やかに保つために。
守る・整える・育てる。
これも、私の考える Attractive Aging の大切な一つです。


