- HOME
- >
- プラセンタの献血基準が変わりました。
プラセンタ注射を受けるとき、
「一度でもプラセンタ注射をすると、もう献血できないんですよね?」
と患者さんから聞かれることがあります。
これまでは、その通りでした。
ところが2026年10月1日から、この献血基準が大きく変わりました。
これまでプラセンタ注射を一度でも使用したことがある方は、期間を定めず献血を控えることになっていましたが、今後は、
最終使用日から3か月が経過すれば、献血が可能
となりました。
今日は、なぜこれまで献血ができなかったのか、そしてなぜ今回ルールが変わったのかを少しお話ししたいと思います。
なぜプラセンタ注射をすると献血できなかったの?
日本で医療用として使用されているプラセンタ注射には、ヒトの胎盤を原料とした「メルスモン」と「ラエンネック」があります。
メルスモンは更年期障害や乳汁分泌不全、ラエンネックは慢性肝疾患における肝機能の改善について、それぞれ保険適応を持つ医薬品です。
これまで献血が制限されていた背景には、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)があります。
vCJDは、異常なプリオン蛋白が関係する非常にまれな疾患です。
2000年代、輸血による感染の可能性などが問題となったことから、日本でも予防的な安全対策が取られました。
その一つとして2006年から、ヒト胎盤由来のプラセンタ注射を一度でも受けた方は、期間を定めず献血を控えることになっていました。
ここで知っていただきたいのは、
プラセンタ注射によってvCJDに感染した症例が確認されたから禁止されていたわけではない
ということです。
実際、これまでプラセンタ注射剤の使用によるvCJDの感染事例は報告されていません。
理論上のリスクを可能な限り避けるために、非常に慎重な予防措置が取られていたのです。
約20年ぶりにルールが変わりました
その後、国内外のvCJDの発生状況や感染リスクについてデータが蓄積されてきました。
厚生労働省では、国内の感染リスク評価、海外での献血制限の状況などを総合的に検討し、これまでの制限を見直すことになりました。
そして2026年10月1日から、
プラセンタ注射の最終使用日から3か月間は献血を控え、3か月経過後は献血可能
という新しい基準になりました。
長くプラセンタ注射を受けている方にとっては、大きな変更だと思います。
「基準が変わった=安全性の考え方が変わった」?
今回の変更について、私はここを丁寧に理解することが大切だと思っています。
「以前は危険だったけれど、急に安全になった」ということではありません。
医学では、新しいデータが蓄積されることで、リスクと利益を改めて評価し、それに合わせて基準が見直されることがあります。
今回も、長年にわたる国内外のデータや感染リスクの評価をもとに、従来の制限を続ける必要性が再検討された結果です。
一方で、プラセンタ注射剤は現在も「特定生物由来製品」です。
そのため、最終注射から3か月間は献血できないというルールは残っています。
また、実際に献血できるかどうかは、ほかの献血基準や健康状態も含め、当日の問診・健診によって最終的に判断されます。
正しい情報を知って、治療を選択する
プラセンタ注射について、
「一度受けたら一生献血できないから」
という理由で治療を迷っていた方もいらっしゃると思います。
そのルールが今回、約20年ぶりに大きく変わりました。
医療の情報や基準は、新しい科学的知見によって少しずつ変わっていきます。
だからこそ私たち医療者も、以前の知識のままではなく、常に情報をアップデートして患者さんに正確にお伝えすることが大切だと思っています。
プラセンタ注射を受けている方、これから検討されている方には、ぜひ今回の変更を知っていただければと思います。
emiスキンクリニック松濤
渋谷駅から徒歩5分
元東急本店のオーチャードホール入り口向かい
〒150-0046
東京都渋谷区松濤1-7-10-101
TEL:03-3468-3711
インスタ: https://www.instagram.com/emiskinclinic/?hl=ja
YouTube : https://www.youtube.com/channel/UCSyu2yMQ7GZoRkFh76FwSTA@user-fp9ql5xj3s
クリニック公式オンラインショップ:http://members.shop-pro.jp
診療時間:9:30~17:00(土曜日は9:30~13:30)
休診:火曜日、日曜日(月曜祝日は休診、火曜日通常診療)


