風疹
風疹とは
風疹ウイルスが飛沫感染して、およそ3日間の発熱、特有な発疹、目の充血、軽いせき、耳の後ろのリンパ節の腫れなどがおこる病気です。
病気そのものは重症ではありませんが、妊娠初期の女性が風疹にかかると先天性風疹症候群の子どもが生まれることがあります。
病因
トガウイルス科に属する風疹ウイルスへの感染が、原因となります。
主な感染経路は咳やくしゃみなどによる飛沫感染ですが、その感染力は麻疹や水痘より弱いとされています。
しかし、免疫がない人の中に風疹の患者が1人入ると5~7人に感染させるほどの感染力があるといわれており、これはインフルエンザの感染力の2~4倍に相当します。風疹は決して感染力が低いというわけではありません。
症状
潜伏期は、16~18日です。38℃前後の急な発熱とともに細かい発疹が多数、全身に現われます。
また、耳の後ろや首のリンパ節が数個、小指の頭ぐらいに腫れ、押すと軽く痛みます。目の結膜が充血して赤くなります。
そのほか、軽いせきが出たり、のどが赤くなって痛んだり、成人では、頭痛や腰痛がおこることがあります。
風疹の症状は、一般に、子どもは軽く、おとなは重いのですが、発病して3日目が峠で、4日目から熱が下がり、発疹、目の充血、リンパ節の腫れなども3~5日で消えて治ります。
治療
風疹ウイルスに有効な薬はありません。ひきつけ(熱性けいれん)に注意して解熱薬などを使い、家庭で療養するのが一般的です。
注意点
病気の子どもから他の人に感染する期間は、発病の約7日前から、発疹が現われて少なくとも5日後までの間です。
熱が下がっても、発疹がすっかり消えるまでは、学校や幼稚園に行かせてはいけません。
なお、風疹は学校伝染病に指定されているので、届け出れば出校停止扱いで、欠席にはなりません。
また、風疹に未罹患の妊婦と接触しないように配慮してください。
これらの注意は、成人が風疹にかかったときも同様に必要なことです。