手足口病
手足口病とは
手掌、足蹠、口腔内に水疱を生じるウイルス性発疹症です。
6〜7月に流行し、小児に好発します。
病因
原因ウイルスは単一ではなく、ユクサッキーウイルスやエンテロウイルスにより発症します。
咽頭から排出されるウイルスによる飛沫感染、便中に排泄されたウイルスの手指を介する経口感染、水疱内容物からの感染が考えられます。
経口感染によりウイルスが腸管で増殖、その後血行性に親和性のある臓器に運ばれそこでまたウイルスが増殖します。
症状
流行は夏に多いですが冬にもみられ、潜伏期間は3〜6日あるいは5〜7日といわれています。
幼小児にみられ、①手と②足の小水疱、③口腔のアフタが3つの主要な症状です。
手掌、足底の水疱は狭い紅暈を伴う半米粒大〜小豆大の灰白色小水疱で、指紋方向に長軸を有し、密生せず、散在性に分布します。
病初の発熱は軽いため見過ごされることが多いです。
予後はよく、1〜2週間で自然に治癒し通常再発はありません。
成人例は稀ですが、密に接する親や保育士に移ることがあります。
治療
手足口病に通常特別な治療方法は必要ありません。
また、基本的には軽い症状の病気ですから、経過観察を含め、症状に応じた対症的な治療となります。
痛みの強い口腔内の発疹は、口内炎用の外用薬を使用します。
しかし、まれに髄膜炎や脳炎など中枢神経系の合併症などが起こる場合がありますから、経過観察をしっかりと行い、高熱が出る、発熱が2日以上続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけに答えない、呼吸が速くて息苦しそう、水分が取れずにおしっこがでない、ぐったりとしているなどの症状が見られた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。
注意点
症状経過以後もウイルスは咽頭から1〜2週間、便からは3〜5週間排泄されて人に感染する可能性があるので、長期間手洗いによる感染予防を励行して下さい。